小山市神鳥谷の耳鼻咽喉科、気管食道内科
医療法人豊友会 豊島耳鼻咽喉科クリニック

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重症スギ花粉症に対する抗体療法のご案内

重症スギ花粉症に対する抗体療法について

2020年シーズンから重症のスギ花粉症に対して、抗IgE抗体による治療(皮下注射)が保険適用されました。より改善が期待できる治療法ですが、花粉症症状が強いのみならず、血液検査でスギ特異的IgE抗体がクラス3以上であることを確認する必要があり、また薬剤費も8,744~17,488円(3割負担、体重により投与量が変動)と高額となります。
これまでの薬物療法で花粉症症状が十分に抑えられなかった方やスギ花粉飛散時期に受験のある学生さんには、特にお勧めしたい治療法です。

重症スギ花粉症とは?

くしゃみ、鼻水および鼻づまりのすべての症状が発現しているスギ花粉症の方が対象です。
① くしゃみが1日11回以上出る
② 鼻水が出るため、1日11回以上鼻をかむ
③ 鼻づまりがひどく、1日中またはかなりの時間口呼吸している
以上3項目のいずれかに該当する方は、重症と判断されます。

抗IgE抗体治療のメカニズム

スギ花粉が体内に侵入すると、スギ抗原と結合する抗体(IgE)が作られます。抗原と抗体(IgE)がマスト細胞に結合すると、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出されます。これらの化学物質がアレルギー反応を引き起こし、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出現します。
抗IgE抗体は、花粉によって産生されたIgEと結合し、IgEとマスト細胞の結合をブロックすることで、アレルギー反応を元から抑えます。

抗IgE抗体の治療スケジュール

① 1回目受診
  くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状から重症度を判定します。
  特異的IgE抗体および総IgE濃度の検査のため採血します。
  抗ヒスタミン薬や点鼻薬を処方します。
② 2回目受診
  抗ヒスタミン薬や点鼻薬で症状の改善が十分でなかったことを確認します。
  血液検査の結果と体重から、抗体の投与量と投与間隔、自己負担額を決定します。
③ 3回目受診
  抗IgE抗体を皮下注射します。
  抗ヒスタミン薬も併用していただきます。
④ 2週間または4週間毎に注射をします。

抗IgE抗体皮下注射の副作用

主な副作用は、注射部位の赤みや腫れですが、通常自然軽快します。
ごくまれではありますが、全身のかゆみ、呼吸困難、血圧低下、失神などの「アナフィラキシー」が起こる可能性があります。

抗IgE抗体療法に関するWEBサイト

生物学的製剤である抗IgE抗体「ゾレア」に関して、さまざまな情報が得られるWEBサイトです。
「はじめてのゾレア」 https://www.okusuri.novartis.co.jp/xolair/pollinosis/